2016  11  No.499


寄稿

  地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)
      山口大学地域未来創生センター 山田隆裕氏

調査
  山口県の地域医療構想
 
地方創生を担う地域のシンボル
大板山たたら製鉄遺跡(萩市)
建物跡などの遺構

製鉄炉と天秤鞴(ふいご)の遺構

 旧福栄村紫福(しぶき)地区の山間部にある「大板山たたら製鉄遺跡」は、砂鉄を原料にし、木炭を燃焼させて鉄を作っていた江戸時代の製鉄所跡。製鉄炉と鞴(ふいご)が置かれた高殿のほか、砂鉄洗場や元小屋((もとこや)事務所)などの遺構があり、規模は山口県内で最大級とされる。
 この場所で宝暦期(1751〜1764年)の8年間と文化・文政期(1812〜1822年)、幕末期(1855〜1867年)の3回にわたり、断続的に操業が行われていた。砂鉄は石州(島根県西部)から北前船を利用して奈古港(阿武町)に荷揚げされ、荷駄(馬)で運ばれた。1856(安政3)年に萩藩最初の西洋式帆船「丙辰丸」が建造された際、ここで造られた鉄が船釘や碇に使われたことが確認されている。
 平成27年7月、同遺跡など萩市の5資産を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。萩市は「大板山たたら製鉄遺跡」の歴史的価値や魅力を伝えようと、道の駅「ハピネスふくえ」内にインフォメーションセンターを整備し、現地にはボランティアガイドを配置している。